2020年の健康情報  2

その他

東京はお正月にも コロナ感染者が落ち着かず、医療関係者やコロナに関係する仕事をしていらっしゃる方は、お正月どころではない毎日を送っている事と思います。
本当に有難うございます。

今日は今も世界中で猛威をふるっている新型コロナウイルスについて。
今年は流行っていませんが、いつもなら流行しているインフルエンザの新しい治療方法について書かせていただきます。

コロナウイルスとは


日常的に人に感染するコロナウイルスは4種類知られています。
風邪 
 咳 鼻などの症状風邪の10-15%を占める病原体
SARS
 中国でこうもりのコロナウイルスがハクビシン、そして人間に感染
MERS
 アラビア半島でヒトコブラクダから人へ感染
COVID-19
 2019年12月 中国から発生した原因不明の肺炎

コロナウイルスの構造


 新型コロナウイルスは、外側に脂質膜をもつエンベロープウイルスです。
ウイルスは細菌と異なり、細胞を持たず、核酸もRNAしか持たないRNA型ウイルスと言われています。
中心にRNAが、カㇷ゚シドという蛋白質の殻があり、外側をエンベロープ(脂質膜)でおおわれています。

コロナ感染について


 主な感染は飛沫感染や接触感染とされていますが、飛沫よりも小さい微粒子で長く空気を漂うエアロゾル感染もあります。
 潜伏期間は1-14日間、5日程度で発症する事が多いです。
症状がでる1-2日前から排出されるウイルス量が多いので、症状がなくても マスクの着用が必要です。

コロナ感染の予防


 先ほど書きましたように、まず症状がなくてもマスクの着用
 エアロゾル感染がありますので、密閉、密集、密接を防ぐ
 エンベロープウイルスは熱、エタノール、次亜塩素酸ナトリウムに弱いの
 でまめにエタノールや次亜塩素酸ナトリウムで消毒をしましょう

コロナ感染 検査方法


 今は新型コロナウイルス感染の確定診断にPCR検査、抗原検査が使われています。
 それぞれの検査方法について書かせていただきます。

PCR検査
調べるもの   ウイルスの遺伝子
採取法     唾液 鼻腔 咽頭液
陽性の意味   現在 感染しているか
判定時間    数時間 検査機関にもっていくので 1-2日
精度      少ない量のウイルスを検出

抗原検査
調べるもの   ウイルス表面の特有蛋白
採取法     唾液 鼻腔 咽頭液
陽性の意味   現在 感染しているか
判定時間    約30分
精度      一定以上のウイルスが必要

抗体検査
調べるもの   ウイルスに反応してつくる抗体
採取法     血液
陽性の意味   感染したことがあるか
判定時間    10-30分
精度      日本では有効な制度のものはない

症状と経過


 発症すると咳 発熱など風邪に似た症状、味覚臭覚異常などが起こる。
 8割の人は軽症で治りますが、だるさ 関節痛などの症状が続くことがあります。重くなると 肺炎、血液、血管に関わる多くの症状がでてきます。

重症化のリスク
●高齢者
●肥満者
●肺の病気、心臓病、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧症など持病のある方

コロナ感染 治療方法


 日本で承認されている薬は レムデシビルという抗ウイルス剤です。
ウイルスは細胞を持たないので、自分では増殖できず、宿主細胞に侵入し増殖します。RNAの複製を抑え、増殖過程を阻害していきます。
 また ウイルス感染による炎症を抑えるためステロイド剤のデキサメタゾが使われています。

 重症になってしまったら
●気管挿管
 気管チューブを口、鼻から気管に挿入し、人工呼吸器とつなぎます。
●ECMO
 肺のダメージがひどく、人工呼吸器をつけても、十分に酸素を取り込むことができない時は、肺の代わりにガス交換をしてくれる体外式膜式人工肺ECMOを使います。
 ECMOは静脈に太いカテーテルをさして、体外の人工肺でガス交換して
別のカテーテルで体内にもどします。
 患者様の肺が働かなくても、ガス交換ができるのです。

コロナ感染 予防


 mRNAワクチンが開発されています。
mRNAは細胞の核の中にあるDNAから情報を読み取り、さまざまなたんぱく質を作らせる命令をだす働きをしています。
 このワクチンはこの性質を使って体内で新型コロナウイルスのたんぱく質を作り、それを免疫細胞が記憶して、本物のウイルスが入ってきたとき素早く排除することができる、という仕組みです。

コロナかなと思ったら


 まず かかりつけ医か検査してもらえそうな医療機関に電話連絡して指示に従う。
 どこに連絡したらいいかわからない方は
   都道府県保健所などの帰国者、接触者相談窓口(夜間 休日)
             連絡してみて下さい。

インフルエンザの新しい予防方法


 インフルエンザはインフルエンザウイルス A型 B型 C型があり、風邪のような症状があります。
 現在 インフルエンザにはワクチンがあり、実際に発症させるのではなく、病原体の毒性を弱めたり、無毒かして安全な状態で免疫を作ることができるのです。
 インフルエンザのワクチンは不活化ワクチンと言われ、病原体の毒性を適切に処理し、免疫をつくるために必要な成分だけを取り出して体内で増殖できないようにしたワクチンです。
 ただし 今までの予防注射は重症化を防ぐことはできても感染を予防する事はできませんでした。
 今回開発された経鼻ワクチンは不活化ワクチンを鼻に噴霧し、鼻やのどの粘膜から 体内に取り込まれ免疫細胞が活発に働き、抗体を粘膜に大量に排出し、この抗体がウイルスの侵入を防ぎ、予防してくれるという仕組みです。
 今ではその年に合ったウイルスにしか効果がなかったのに対し、経鼻ワクチンはさまざまな抗体ができるのでいろいろな種類のウイルスに対応できるのです。
 日本で申請中のものは不活化ワクチンのため、副作用が少なく 乳幼児から高齢者まで使えると言われています。

コロナウイルス感染について、いま承認中のインフルエンザワクチンについて 少し書かせて頂きました。
このような時は、予防方法に従い、食事 生活を整えて 免疫力アップしておきましょう。
 1日も早く コロナ感染が落ち着く事を願って
                参考 ほすぴ
 

投稿者プロフィール

ゴールデンミーン
東京都在住。
薬剤師、健康管理士など

趣味;ヨガ、自然の中にいる事
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