胃腸の症状を自分で治そう

薬膳
くぅ
くぅ

ララさん
寒いね。。。

らら
らら

だって 大寒だもの
大寒って一年で一番寒い日のことでしょう。
暦って本当に不思議だよね。
毎年 ぜんぜん狂わずにきちんとその季節が
来るんだものね。

皆様 ごきげんよう。今年も大寒を迎え、寒い地方の方は本当に大変な毎日をお過ごしのことと思います。明日は中国では旧暦の元旦、春節になります。中国の方にとっては本当に大切な日のようです。今年はコロナの行動規制がなくなり、楽しい節日になることでしょう。日本はあまり旧暦を使わなくなりましたが、複数の暦を使う国もまだ残っているようですね。兎年は皆さまにとって平穏安寧の一年でありますように祈っています。

胃腸の不調

いつでも胃腸が大丈夫という方は少ないのではないでしょうか?食べ過ぎるとすぐ、、とか。便秘だとか、すぐ胃もたれがするとか、、人によっていろいろ弱いところが違うのではないかと思います。胃と腸に分けて二日に分けて書かせて頂きたいと思います。

胃腸のトラブルを中医学ではどのようにみるのでしょうか?
暴飲暴食、ストレス、過労、年を重ねてなどで胃腸の機能が落ちてくることがあります。胃腸の調子が悪いと食欲がなく、栄養も偏り、体力も落ちてきてしまいます。中医でもいつも思うのですが脾胃を健康に保つことが健康の素ではないかと思っています。今の医療では検査の結果で胃炎、胃下垂、十二指腸潰瘍、過敏性大腸炎などの名前が付けられていきます。中医学では 脾胃の病気ととらえ、気虚か気滞なのか、その方の体質も加味していきます。消化器は食べ物が直接入ってくるところなので、食べ物の内容が直接影響しやすいので、食べものに気を付ける事がまず大切です。長引く時はきちんと診断を受け、自分の体質にあった食べ方、食材を選んでいきましょう。

胃痛
胃痛といってもちくちく刺す痛み、激痛、張った感じの痛み、空腹時の痛みなどいろいろな痛みがありますね。中医学で今回は次の3つに分けて考えてみましょう。

1)張りのある痛み  気滞
胃の張りやゲップ、ガスが多く酸っぱいものが上がったりして胸やけの症状がある方。気の巡りが悪くておこる症状です。ストレスなどが大きな原因です。イライラしたり、気分がふつふつとしたり、、気分が不安定になったり、ストレスをためたりします。

食品アドバイス
消化をたすける大根、大根の葉、気持ちを落ち着かせる香りのよい食材、三つ葉,春菊、パセリ、みかん、オレンジ、レモンなどの柑橘類、他にもぶどう、梅干し、ヨーグルト、黒酢、菊花

お勧めの生薬
陳皮、ミント、クローブ、うこん、田七人参

注意
豆はガスを増やすので食べ過ぎに注意しましょう。

2)慢性的な痛み  気虚
痩せていて食欲が少なく、胃が重い感じでシクシクといつも痛む感じです。もともと胃が丈夫ではなくちょっと食べても胃が重苦しい感じ、胃もたれがします。胃下垂、胃もたれを起こしやすいです。このタイプの方は気の不足が原因ですので、気を補って消化器の働きを活発にすることが大切です。

食品アドバイス
胃腸の働きを活発にして、消化をスムーズにする芋類がお勧めです。長芋、大和イモ、ジャガイモ、サトイモなどです。とくに山芋は消化酵素アミラーゼや胃粘膜を守るムチンを含んでいます。生のまま頂く物もありますが、体を冷やすので冷え性や下痢をしやすい方は熱を通して頂きましょう。もち米も胃腸の働きを良くします。他にはしいたけ、南瓜、大豆、牛乳、くり、りんごなど。

お勧めの生薬
ナツメ 茯苓 甘草 陳皮 麦芽

注意
冷たい物、生もの、油っぽい物、唐辛子、ワサビなどの刺激物はなるべく控えましょう。

3)冷えによる 寒性
冷えると痛み、温めると楽になる方の胃痛の方。冷たい物を頂いたり、クーラーの中に入るとお腹が痛んだり、、でも温かいスープを頂くと楽になる。このような方は冷えが原因の痛みです。体を温めるように致しましょう。

食品アドバイス
体を温める食材は温熱性の食材です。にんにく、にら、葱。また香辛料になる山椒、八角、ウイキョウ、シナモン、生姜などもお勧めです。体を温めるのにお勧めは羊肉と言われていますが、なかなか食べにくいかもしれません。他にらっきょう、黒酢もお勧めです。

注意
冷たいものや生ものは極力避けたいですね。

4)暴飲暴食 気滞痰湿
普段は問題がないが、暴飲暴食をするともたれたり、ムカムカしたり、吐き気を起こす事があります。脾胃の消化力が弱ってしまったのが原因です。消化力アップが大切ですね。

食品アドバイス
辛味の消化酵素は消化を助け、胃もたれなどを改善する大根がお勧めです。カブも茹でて頂くと同様な働きがあります。お腹の張りがあったらきんかんを、お肉の食べ過ぎにはさんざし、穀類の食べ過ぎには麦芽がお勧めです。他には貝割れ菜、人参、ヨーグルト、玄米茶などです。

生薬
陳皮 さんざし クローブ 八角 山椒 麦芽

栄養から考える胃痛

胃炎
胃炎は胃の内壁をおおう粘膜に炎症がおこる病気。急性胃炎は暴飲暴食や薬の副作用、ストレスなどで起こりますので、ストレスをとって食事を少な目にして胃を休め消化のよいものを少しずつ頂きましょう。慢性の場合は不規則な生活やピロリ菌などが原因で、コーヒーや香辛料など胃に刺激するものを控え消化のよい食品を頂きましょう。

食事のアドバイス
規則正しい食生活をしましょう。刺激のある食品は控えましょう。ビタミンA、C,Eは粘膜を保護します。里芋もムチンなどもお勧めです。お粥などの消化の良いものがお勧めです。

胃、十二指腸潰瘍
胃や十二指腸は強力は胃酸から粘膜を保護するようにできていますが、なんらかの原因で粘膜が胃酸に傷つけられることで起こります。胃酸の分泌を抑え粘膜を強くし、潰瘍を修復することが大切です。粘膜に優しい消化のよいものをいただくように致しましょう。

食事のアドバイス
胃酸の分泌を抑えて胃の粘膜を修復する蛋白合成促進するビタミンUはキャベツやレタスに含まれています。細胞膜を活性酵素から守るビタミンEや粘膜再生に必要なビタミンA,C,Eも必要です。胃酸の濃度を低下させるため乳製品はお勧めです。胃酸の分泌を促す塩辛い物や香辛料、アルコール飲料、熱いものや冷たい物は避け、消化のいいものを頂きましょう。

お勧め食材

山椒
寒性の胃痛に。芳香と辛味が内臓の働きを活発にして代謝を高め、お腹を温める香辛料。
性味;辛 温
帰経;脾肝
効能;温中 明目 固歯 消腫 降気
成分;サンショオール サンショアミド グラニオール シトロネラール
適応;胸のつかえ お腹の冷え 食欲増進 

ナツメ
気虚タイプの胃痛に。大棗という生薬で、胃腸の働きを高め気持ちを落ち着かせてくれます。
性味;甘 平
帰経;脾胃
効能;健脾 和中 補気 補血
成分;Fe Ca K Mg 食物繊維
適応;疲労 食欲不振

大根
消化酵素を含み、辛味が胃液の分泌を促し、消化力を高めます。冷えがある方は温めて頂きましょう。
性味;辛甘 涼
帰経;肺胃
効能;消食 化痰 寛中 降気
成分;食物繊維 VC リグニン カロテン アミラーゼ ジアスターゼ オキシダーゼ
適応;嘔吐 鼻血 消化不良 口渇 痰のある咳

里芋
独特なぬめりがあります。血圧を下げ、コレステロールを下げる効果が期待できます。またムチンも含まれ消化管の粘膜を保護し、肝臓の強化の効果もあるようです。
性味;甘辛 平
帰経;脾胃
効能;消腫 和胃 調中 化痰 解毒
成分;ムチン ガラクタン 食物繊維 Fe K VB1
適応;消化促進 便秘 下痢 高血圧予防

キャベツ
胃粘膜修復作用があり、ビタミンUを多く含みます。ビタミンCも多く含まれています。
性味;甘 平
帰経;肝胃腎
効能;健胃 化湿 補腎 清熱 強筋骨 補五臓
成分;イソチオシアネート VU VK VC VA VB1 VB2 VE ナイアシン Ca P Fe
K Mg Zn Cu Mo フラボノール
適応;胃腸虚弱 胃もたれ 抗潰瘍
                     参考;東洋医学で食養生


わたし
わたし

どんな時も胃は大丈夫という方は少ないと思います。
食べ過ぎると、、ストレスが、、
皆様 それぞれで胃のトラブルがある時があることと
思います。
ストレスを解消して 消化によいものを規則正しく頂いて
みて下さい。
キャベツ、大根、サトイモはお勧めですね。
冷えも胃痛の原因になりますので、寒い昨今、冷やさないように
お過ごし下さい。
ちなみにお肉の食べ過ぎにはさんざし、穀類の食べ過ぎには麦芽は
覚えておくと便利ですね。

胃もたれの原因とは?オススメの薬膳料理もご紹介 | ヘルスケア | 記事 | ココロートパーク
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投稿者プロフィール

ゴールデンミーン
東京都在住。
薬剤師、健康管理士など

趣味;ヨガ、自然の中にいる事
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