薬膳 土地のものを食べる 年齢に合わせて

薬膳

皆様 ごきげんよう
昨日の新聞にはっとする記事がありました。「自分は絶対に他人にはうつさないぞ」と考えるだけで回りの化け物が人の顔を取り戻すという言葉です。緊急自粛が解除されてきましたが、感染にたいしての注意はまだまだ続きます。自分がうつるものかと精神的に尖っていると周りの人が敵に感じてしまうが、自分が移さないようにと考えると周りの人が人間にもどっていくもののようです。
同じ事でも 考え方一つで思いやりにも恐怖にもなるのです。
同じ人生、どのように生きていきますか?

今日は薬膳の考え方で大切な「身土不二」と年齢によってどのようなものを食べていったらいいかについて書いてみたいと思います。

身土不二


この言葉は身体(身)と環境(土)は2つに分けられないという意味です。
人は自然の一部であるという整体観にあります。住んでいる土地でとれたものを食べることが、自然と人間の調和をとるのによいのです。穀物や旬の野菜、魚を中心にしたバランスのよい日本の伝統的な食事がよいのです。
暑い季節、地方には寒涼性の作物が、寒い季節、地方には温性の作物が取れるようになっています。
また、日本人の胃腸は中国人や欧米人ほど強くないと言われ、消化のよいものを食べるのがあっています。
また、日本は湿度が高いので、体内に湿をためやすくなっています。身体を冷やすものを食べると湿をためやすくなるので、注意しましょう。

余談ですが、食事の内容を歯のバランスに合わせるといいと言われています。
臼歯は穀物を、前歯は野菜を、犬歯は魚や肉を食べるためにあるようです。

年代に合わせた食事

1)子供
子供はまだ臓腑の働きが不完全で、とくに肺、脾、腎の働きが不足していると考えられます。
肺は外邪から身を守る働きがあり、風邪などから守ります。
脾は飲食物から気血をつくります。
腎は成長や発育を管理します。
ですから、子供は風邪をひきやすかったり、お腹をこわしたり、失禁、発育の遅れなどがおこるのです。

●虚弱体質、発達の遅れ(肝 腎を補う)
 山芋 くるみ 蓮の実  黒ゴマ うずら卵 れいし
●脾を補う、気を補う
 やまいも はちみつ 米 人参 なつめ 茯苓
●発熱などの時
 豆腐 にがうり きゅうり なし せり
●下痢をとめる
 ぎんなん くり きんかん 梅 さんざし
●消化を促す
 麦芽 大根 キャベツ りんご さんざし
※はちみつは1歳以下にはよくないので注意

2)成人
現代では食生活や生活習慣が個人個人で違う事が多くなりました。

立ち仕事の多い人
立ち仕事の多い人は筋肉、骨、腰に負担をかけるので、腎虚になりやすくなります。とくに同じ姿勢では気血のめぐりが悪くなります。
●腎を補い、腰を強化
 にら くり くるみ クコの実 えび 牛肉など
●血のめぐりをよくする
 さんざし べにばな サフラン うこん なす 桃 かに 黒酢 マイマ
 イカ
※なす かには身体を冷やすので 冷えやすい人はしょうが、ねぎなどと食
 べるように

座る仕事の多い人
エネルギー消費 座る仕事の多い人 量が少なく、代謝も低下しています。精神的ストレス、足腰の筋肉が衰えやすく、気血のめぐりも悪くなります。とくに 目を使う人は視力低下、めまい、頭痛、耳鳴り、便秘などになりやすくなります。
●気を補うもの
 もち米 ハト麦 そら豆 やまいも しいたけ さくらんぼ 牛肉など
●肝血を養う
 クコの実 黒ゴマ ごま油 あわび いか すっぽんなど
※とくに目を使う人はクコの実、くり、なつめ、ゆり根、蓮の実、黒きくら
 げを適度にとりましょう。

3)女性
女性は年齢に関係なく、肝、脾、腎の働きが大切です。女性は月経、妊娠、出産、授乳など血を消耗するので、気をめぐらせ血を貯蔵する肝と気血をつくる脾を整える事が大切です。
妊娠中は消化の良い物、産後は気血を補い温熱性のものを、更年期をすぎたら気血のめぐりを整え肝の陰を補いましょう。
●肝の陰を補う
 クコの実 黒ゴマ 金針菜 いか あわび 豚鶏のレバー
●脾を補う
 黒さとう なつめ りゅうがん ぶどう らいち

4)高齢
黄帝内経には、寿命を全うして100歳まで生きると言われています。今のアンチエイジングではもっと長生きできると言われています。
年をとると臓腑の働きが低下し、気血のめぐりもゆっくりになります。耳や目が悪くなり、睡眠が浅くなっていきます。臓腑の中でもとくに腎の精気不足が問題になります。
ただし 高齢者は脾の働きも低下しているので、消化の悪いものは消化できず、胃腸に負担をかけてしまいます。味は淡泊に、食後は少し休み、柔らかく煮込んだものなどがいいでしょう。高齢者は脾虚で津液が不足していれば消化ができず、食後に膨満感がおこります。陰虚であれば虚熱を発生、気のめぐりが悪くなり痰(風邪の時の痰とは少し違う)も生みます。辛い物、脂っこいもの、甘い物はひかえるようにしましょう。
●腎を補う
 腎陽;ふかひれ えび くるみ クローブ 八角 羊肉
 腎陰;黒豆 クコの実 豚肉 すっぽん ほたて 牡蠣
●消化のよいもの
 やまいも 茯苓 クコの実 ささげ キウイ 黒ゴマ くるみ ぶどう 
 黒白きくらげ
 はちみつ すっぽん
※腎陽:足腰のだるさ、疼痛、めまい、無気力、むくみ、心悸、下痢などの
    症状がある
 腎陰:足腰のだるさ、健忘、耳鳴り、めまい、手のひら足の裏の熱感、寝
    汗

一般的な人がとるといい食品です。個人個人の体質に合わせてさらに考えていきましょう。
たべるもの一つ一つが身体に影響していくことを考えながら食事をとっていきましょう。健康で楽しい人生にしていきましょう。




投稿者プロフィール

ゴールデンミーン
東京都在住。
薬剤師、健康管理士など

趣味;ヨガ、自然の中にいる事
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