皆様 ごきげんよう
コロナの自粛に加え、熱中症の注意報が出されています。
どうしても、外で仕事しないといけない方は十分注意して下さい。
以前 発酵食品について書かせて頂きました。
なぜ 発酵食品がいいか書かせて頂きましたが、まとめてみようと思います。
人の腸の中には、数100兆個の微生物が生息していて、総量は1,5-2kgになると言われています。
その微生物群を腸内細菌叢といい、腸の表面に固まってあり、お花畑のようなので、腸内フローラと言われています。
腸内細菌について詳しくみていきましょう。
腸内細菌の種類
1)善玉菌
皆様がよく耳にしている言葉だと思います。腸内細菌の中で私達に良い働
きをする菌を善玉菌といいます。ビフィズス菌、アシドフィルス菌、乳酸
菌などです。これらの菌は食物の中の糖や食物繊維を分解して乳酸やビタ
ミンなどを作ります。また 善玉菌は短鎖脂肪酸を作り、腸内を弱酸性に
保ち、悪玉菌の増殖を防いだり、排便を促したりします。
2)悪玉菌
人に悪い働きをする菌で、ウェルシュ菌、黄色ブドウ球菌などがあります
す。動物性たんぱくや脂質を分解して、私達に有害なアンモニア、フェノ
ール、インドール、ニトロソアミン(発がん性あり)などを作ります。
悪玉菌が増えると、蠕動運動(腸の動き)が弱まり、便秘や下痢になりや
すくなります。
また、悪玉菌が優勢の状態が続くと粘膜のバリア機能が弱まり、有害物質
が全身を回ってしまうと、生活習慣病やがんになりやすくなります。
3)日和見菌
この菌は私達にとって普段は良くも悪くもないもので、善玉菌が優勢の時
は問題ないのですが、悪玉菌が優勢になると悪玉菌の助けをするようにな
ります。バクテロイデスなどがあります。
4)バランスが大切
では、善玉菌ばかりならいいのかというとそうではなく、それぞれの菌
のバランスが大切なのです。
善玉菌20%、悪玉菌10%、日和見菌70%が理想です。
薬膳、漢方、アーユルヴェーダでもバランスを言っていますが、腸内細菌
でもバランスが大切なのですね。
健康でいるためには、善玉菌が優勢を保ちながら、バランスよく多種の腸
内細菌が必要なのです。
腸内細菌の変化
1)腸内フローラはどのようにできるのでしょうか?
お腹の中にいる赤ちゃんは無菌状態です。産道を通って来るとき、様々な
菌にふれて体内に入ってきます。その後、授乳により母乳に含まれるオリ
ゴ糖をえさとしてビフィズス菌が増え腸内細菌の90%を占めるようにな
ります。その後離乳食が始まったり、指をしゃぶったりして3-5歳くらい
腸内細菌のパターンができ、基本的パターンは大人になっても変わらない
と言われます。
2)腸内細菌のバランスが崩れる時
では バランスが崩れるのはどんな時でしょうか?
腸内のビフィズス菌は年齢とともに減少し、老年になると腸内細菌の数も
減少し、悪玉菌や日和見菌が優勢になります。
また 年齢以外でも日頃の食事の内容やストレスや病気でもバランスが崩
れてきます。なぜ ストレスと関係があるのと思われる方もいると思いま
すが、腸内に腸管神経系というものがあり、脳と関わり合いがあるのです
腸内細菌を整える食事
1)善玉菌をとる
善玉菌を多く含む発酵食品を食べることです。
腸内環境を整えてくれる微生物をプロバイオティクスといい、それらを多
く含む食品をプロバイオティクス食品といいます。代表的なものはビフィ
ズス菌(生きたまま腸まで届く)です。
数日で便としてでてしまうので、毎日の生活に発酵食品を定期的にとる習
慣をつけておくといいでしょう。
2)善玉菌のえさになる食品をとる
善玉菌をふやすには、善玉菌のえさになる食品をとることも大切です。
善玉菌のえさになる食物繊維やオリゴ糖をプレバイオティクスといい、こ
れらの食品をプレバイオティクス食品と言います。
代表的プレバイオティクス食品
●水溶性食物繊維
海藻、果物、野菜に含まれる水溶性食物繊維は善玉菌のえさになります。
その他に便を柔らかくして、コレステロールなどを排泄したり、糖の吸収
を穏やかにする働きがあります。
●不溶性食物繊維
穀類や繊維の多い野菜に含まれ便の量を増やし、便秘を改善します。
●オリゴ糖
大豆、たまねき、ごぼう、バナナなどに含まれ,善玉菌のえさになります
細菌の情報
プロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせてシンバイオティ
クスと言われています、善玉菌と食物繊維やオリゴ糖をとる、日本の伝統
的和食は理にかなっているという事です。
けっして動物性蛋白をとっていけないという事ではありません。
たっぷりのお野菜と一緒に召し上がってください。
腸内環境を整えるのは毎日の食べ物とストレスレスな生活!
暑い夏を乗り切っていきましょう❣
投稿者プロフィール
- 東京都在住。
薬剤師、健康管理士など
趣味;ヨガ、自然の中にいる事
最新の投稿
- 漢方薬2025.01.10喉の傷み 腫れにお勧めの漢方 小柴胡加桔梗石膏
- 健康管理士2025.01.07早めの花粉症対策 最近読んだ本 2
- 健康管理士2025.01.05新薬ご紹介 最近読んだ本のご紹介
- 健康管理士2025.01.04健康に関する現状の紹介