体内に異物を入れないシステム

健康管理士
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くぅ
くぅ

今日の内容って難しそうじゃない。。

昨日はウキウキしていたのに。。

わたし
わたし

大丈夫!

そんなに難しい事は私にはわからないから。

らら
らら

そうだよね。。
ママさんの頭を考えてみればいいんだよね。

その体内に異物をいれないってどんな事?

わたし
わたし

前 免疫について書いた事があったでしょう。
生まれた時からもっている免疫と、予防注射などを
して後で体にできる免疫。。

まずは、体内に異物が入らなければいいでしょう。
なんと体はそんな働きもちゃんとしているって事!

らら
らら

私達 犬もそうなっている?

わたし
わたし

人とは少し違うと思うけど、
しっかり防御するシステムはあると
思うわよ。

くぅ
くぅ

例えば どんな事?

わたし
わたし

外に接しているところ。
例えば、皮膚とか、食べ物が入る口、
空気を吸う鼻や気管かしらね。

まず 身を守る防御機構についてみていきましょう。

防御の仕組み
私達の周りにはウイルス、細菌などがたくさんあります。これらから身体を守るために生体防御という仕組みがあり、日夜働いているのです。
防御は3段階に分かれています。

1)第一防御システム
皮ふや粘膜で外の環境から守っている

物理的防御
皮ふは細胞が密集していて異物の侵入を阻止したり、粘膜の粘液や線毛で異物を除去する。皮膚が角質化する事で異物の侵入を阻止する

化学的防御
汗や涙などにあるリゾチームという酵素や皮膚や粘膜にあるはディフェンシンという抗菌物質があったり、皮脂や皮膚は弱酸性で異物の増殖を防御したりしている。強酸性の胃酸は殺菌作用が。

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生物的防御
腸内細菌や皮膚の常在菌が病原体などの増殖を防いだりしている

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2)第二防御システム
白血球が異物を排除する自然免疫をいいます。

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3)第三防御システム
リンパ球などの獲得免疫の働きを言います。

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くぅ
くぅ

ママさん
やっぱり 難しい感じがする。

わたし
わたし

獲得免疫とかいうとね。。

実際に皮膚や呼吸器や消化器でどんな事が起こっているか
見ていきましょう。
それの方がわかりやすいものね。

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皮ふの防御システム
皮ふは体の表面をおおっている器官です。水分の調節、体温調節、痛みを受けるほかに、防御システムもあります。皮膚の構造は外から表皮(角質層、顆粒層、有棘層、基底層)、真皮、皮下組織からなっています。防御についてみていきましょう。

表皮の防御
まず一番外側にある角質層、死細胞が蓄積して角化しています。ウイルスは細胞に寄生しないと増殖できないので死細胞では増殖ができません。
次のセラミドは角質層のすき間を埋めていて、乾燥や紫外線などから守っています。
顆粒層にはタイトジャンクション(細胞間を埋めるもの)は異物の侵入を防いだり、ケラトヒアリン顆粒は紫外線の侵入を防いでいます。

皮脂や汗による防御
皮脂にはトリグリセリド、遊離脂肪酸、ワックスエステル、スクワレンなどを含む。また汗には水分やナトリウム、カリウム、重炭酸ナトリウム、尿素などを含む。これらが混ざって乳化し、皮脂膜をつくり弱酸性に保ち、病原体の増殖を抑えています。他に皮膚には細菌などの細胞膜を破壊するというディフェシンや病原菌溶解酵素のリゾチームなどがあり、防御しています。

血液凝固による防御
怪我をすると、傷口から病原菌が入らないように、素早く止血して傷口をふさいで防御します。出血すると、血管が収縮し、血小板が集まってきて血栓を作り、フィブリンで血餅を作り、出血を防ぎます。

常在菌による防御
常在菌とは、健康な人の体に普段からいる微生物のことで、外部環境と接するいろいろな器官に存在します。有益な働きをする善玉菌、有害な働きをする悪玉菌、優勢な方になびく日和見菌があり、常在菌のバランスがいいと悪玉菌が入ってきても排除します。

表皮ブドウ球菌;汗や皮膚をえさに皮膚のバリアを保つグリセリンや抗菌作用のある抗菌ペプチドを作ります

アクネ桿菌;皮脂をえさにプロピオン酸や脂肪酸を作り、皮膚を弱酸性に保ちます。酸素を嫌うので、毛穴や皮脂腺に存在します。

自然免疫による防御
いろいろな防御をしていますが、防御がぬけてしまうと、自然免疫が活躍します。表皮の有棘層にとくに多く存在する樹状細胞のランゲルハンス細胞は侵入してきた異物を貧食したり、抗原情報をリンパ球や脳に伝える働きをします。
ランゲルハンス細胞は、加齢、紫外線、石油系界面活性剤の刺激で減少するので注意が必要です。

らら
らら

私達も毛が生えているけど守られているのかしら。。

わたし
わたし

ララさん
毛が生えている事がすでに守られているのよ。
傷にもなりにくいでしょう、細菌も直接には
触れないでしょう。

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粘膜の防御システム
呼吸器や消化器の表面に粘膜があります。粘膜から粘液がでて防御しているのです。粘膜は、様々な器官の内腔を覆う膜で、ねばねばとした粘液を分泌します。消化器の粘膜は内腔から、粘膜上皮、粘膜固有層、粘膜筋板、粘膜下層から、呼吸器は粘膜筋板のない3層からできています。

粘液による防御
粘膜の上に粘液がでて粘液層を作って防御しています。乾燥を防いだり、病原体を細菌したりします。
リゾチーム、ディフェンシンなどの殺菌成分
ムチンは粘り気を
免疫グロブリンのIgAは侵入してきた異物に反応し、抗原を無力化する働きをします。

わたし
わたし

普段は気にしないけど
私達の体ってすごいのね。

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呼吸器の防御システム
呼吸器は鼻や口から酸素を吸い込み、体内の二酸化炭素をだす器官です。空気の通り道は鼻腔、咽頭、喉頭の上気道と、気管、気管支の下気道からなります。

鼻毛や線毛による防御
鼻腔では鼻毛が空気中の異物の侵入を防いだり、乾燥を防いだりします。異物が侵入すると、くしゃみや鼻水として対外に出されます。小さいものはその奥の線毛(鼻腔から気管支)が働きます。気道に異物が入ると咽頭や鼻腔に向かって線毛が波を打つように動き(腺毛運動)、粘液の流れに入ると、咳,痰、鼻水として排出されます。線毛は乾燥に弱いので、保湿は大切ですね

呼吸器の自然免疫による防御
上のような防御をぬけてしまって、肺胞まで届いてしまうと肺胞の働きを阻害してしまいます。そこで自然免疫、免疫細胞、肺胞マクロファージが働きます。肺胞(肺胞内の酸素と毛細血管内の血液でガス交換する)でガス交換が正常に行えるように、肺胞マクロファージが異物を貧食してくれます。

消化器の防御システム
消化器は消化、吸収、排泄に関わる器官で、歯で噛み、口腔から食道、胃から小腸、大腸、肛門とつながっています。食べ物と一緒に病原体などの異物が入ってくることがあります。

口腔の唾液や常在菌による防御
口腔では唾液腺から唾液がだされ、唾液の中のラクトフィリン、免疫グロブリン、リゾチーム、ラクトペルオキシダーゼなどの抗菌成分が口腔内の粘膜を覆って防御しています。
口腔フローラという常在菌もあり、口腔内にバイオフィルムという膜を作って異物の侵入を防いでいます。

胃酸による防御
胃粘膜からは塩酸とペプシノーゲン、粘液がでて防御しています。塩酸は胃酸のことで、食べ物と一緒に入って来た細菌を殺菌。でも胃粘膜を覆うアルカリ性の粘液がでて中性になり、胃粘膜は傷つかないようになっています。

腸の常在菌や抗菌物質による防御
腸は小腸(十二指腸、空腸、回腸)と大腸(盲腸、結腸、直腸)からなり、抗菌物質の分泌や多くの常在菌が防御を行っています
小腸のパネート細胞から抗菌ペプチドやリゾチームが分泌され異物から防御しています。腸内細菌の善玉菌は乳酸菌やビフィズス菌で、乳酸菌はオリゴ糖や食物繊維をえさにして乳酸を作り、ビフィズス菌は乳酸、酢酸を作り、腸内を弱酸性にし、異物の増殖を防いだり、IgAの産生強化して免疫細胞を活性化させたりします。

腸の自然免疫、腸管免疫について
さらに侵入してきた時は腸管免疫です。腸は人体最大の免疫器官と言われるように、全身の60-70%の免疫細胞が腸には集まっています。小腸にはところどころ絨毛が未発達なパイエル板というところがあり、体内に侵入しようと思う抗原が集まりやすくなっています。ここでまずM細胞が抗原を組み込み、樹状細胞やT細胞、B細胞という免疫細胞に受け渡され腸管免疫が行われていきます。

               参考;ほすぴ

わたし
わたし

自分の体がいつもこんなに守っていてくれているなんて
感激しました。
難しい事があるので、内容よりこんなに自分の体は自分を
守っていてくれているって事を感じて頂けたらいいなと
思います。

なぜ、ピロリ菌は死なないのか?
胃は強酸性のため、ほとんどの細菌は死んでしまうのに、、
ピロリ菌は一度感染すると自然にはなかなか死なないようです。
ピロリ菌はウレアーゼという酵素を出して尿素を分解し、
アンモニアを作ります。このアンモニアで酸性が中和されて
生き延びているのですね。

とくに5歳以下の幼児は胃酸がまだ弱いので、ピロリ菌をもつ
家族などから経口感染する事があるので 注意が必要ですね。

投稿者プロフィール

ゴールデンミーン
東京都在住。
薬剤師、健康管理士など

趣味;ヨガ、自然の中にいる事

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