魚の発酵食品

その他

皆様 ごきげんよう
熱い毎日が続いています。
冷たいところにいて、冷たいものを頂いてお腹の調子が悪くなってしまった方がいらしたら、それは冷えが関係しているかもしれません。
食べるものはあまり冷たいものはさけるようにしてみて下さい。

海に囲まれた日本では昔から魚をよく食べられていました。
冷蔵庫のない時代魚を保管するため、いろいろと工夫されていました。
今回は魚に関する発酵食品をご紹介いたしましょう。

鰹節


日本では、701年 大宝律令のころには存在していたようです。
現在のように燻製した後カビをつけるようになったのは、江戸時代からのようです。
鰹節は昆布、椎茸とともに日本料理には欠かせない食材です。
鰹節のうま味はイノシン酸です。イノシン酸は生きている鰹にはなく、死んだあと筋肉中のATPが分解してできます。
またカビ付けでカビが分解する酵素がイノシン酸を増加させ、うまみが増していくのです。カビはたんぱく質分解酵素のプロテアーゼを出して、鰹のたんぱく質を分解しアミノ酸を蓄積。
核酸系のうま味とアミノ酸のうまみが合わさり、より美味しくなるのです。
また 鰹節のだしに脂は出てきませんね。
鰹に含まれる油分は工程の間に失われ、残った脂質もカビの働きで取り除かれ、その時に魚臭さから美味しい香りに変わります。
鰹節の保存方法
鰹節は高温多湿をさけ、チャック付きの袋で冷蔵庫で保存することをお勧めします。

熟鮓


塾酢は魚介類と米飯を一緒に長時間漬け、乳酸菌などの微生物で発酵させた食品です。
発祥は中国、タイ、ラオス、などのメコン川の周辺と言われています。
日本にも弥生時代のころにはあったと言われています。
味の特徴は酸味ですが、これは米飯のでんぷんを分解しできた乳酸菌と魚のたんぱく質が分解してできたアミノ酸のうま味からです。
塾酢は発酵によりビタミンなどの栄養成分が豊富で、腸内環境の改善に働き、腸内の腐敗菌が増殖するのを抑えて下痢、便秘の予防効果もあると言われています。

日本の熟酢
北海道   ニシン寿司
青森    アケビの熟酢
      ヤマブドウの熟酢
秋田    ハタハタずし
富山    鯖の熟酢
      鮎の熟酢
石川    かぶらずし
滋賀    ふなずし
福井    鯖の熟酢
      鮎の熟酢
三重    鯖の熟酢
和歌山   秋刀魚の熟酢
      鯖の熟酢
島根    鮎の熟酢

塩辛


魚や肉を生のまま塩漬けした発酵食品の事です。
塩分で腐敗を防ぎ、材料のもつ消化酵素でたんぱく質をアミノ酸に分解します。発酵微生物により独特な風味が生まれます。

アジアの塩辛
日本     いかの塩辛(スルメイカが原料)
       酒盗   (魚の内臓)
       このわた (なまこの内臓)
       めふん  (鮭の腎臓)
       うるか  (あゆの内臓)
朝鮮     チョッカル
ベトナム   マムトム
マレーシア  ブラチャン
タイ     カピ
インドネシア トラシ

魚醤


塩辛を作る途中で液体だけを取り出し、調味料です。
発酵による香りが特徴です。

アジアの魚醤
中国     魚露
日本     しょっつる
       いしる
       いかなご醤油
ベトナム   ニョクマム
フィリピン  バチィス
カンボジア  プラ ホック
インドネシア ケチャップ イカン
タイ     ナンプラー
マレーシア  ブドウ

くさや


伊豆諸島の名物。
海水に何度も魚を漬けて天日干しを繰り返したもの。同じ海水に何度も魚を漬けているうち、魚の成分が溶け出し発酵したものです。
くさや汁はビタミン、アミノ酸などの栄養を含み、天然の抗生剤と言われています。

魚の糠漬け


へしこ
福井県の名産、塩漬けにした魚をさらに糠漬けにした保存食です。
発酵は乳酸菌と酵母が主なもので、生の鯖と比べると、アミノ酸は2,5倍
ペプチドは5倍になります。

ふぐの卵巣の糠漬け
石川県の郷土料理で、ゴマフグを使った発酵食品です。
塩漬け後、真水で塩抜きし米麹といしるにつけて作ったもので、この過程でフグ毒が消えてしまうのです。奇跡の発酵食品と言われています。

今はなかなか 魚の発酵食品を頂く機会が減ってしまいましたが、旅行に行ったり、食べる機会があったら試してみたいと思います。

投稿者プロフィール

ゴールデンミーン
東京都在住。
薬剤師、健康管理士など

趣味;ヨガ、自然の中にいる事
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