漢方薬に副作用はある？

皆様　ごきげんよう
今日は雨の一日でした。
外出するのは大変ですが、雨の日はしっとりして気持ちいいものです。

漢方薬は副作用が少ないと言われていますが、まったく副作用はないのでしょうか？

漢方薬は８割が植物類、他動物、鉱物がありますが、２０００年の間に効果が確認され、安全性も高いと思われます。
また　漢方は生薬の組み合わせで副作用がでないように処方されています。
でも　１００％副作用がないとは言えません。
患者様の証に合わなかったり、間違った服用、西洋薬や健康食品との併用、アレルギーなど問題が起きる事があります。
漢方薬だから、、と考えるのではなく、既往歴や今服用している薬などを医師、薬剤師に伝えてより安全に服用してください。

証に合わないとどうなるの？
例えば　葛根湯で考えてみましょう。葛根湯は実証の方が飲む薬です。
間違って虚証の方が服用すると、体力がおち、症状が悪化してしまう事もあります。
漢方には病気と闘うために、瞑眩と言われる好転反応があり、服用始めに症状が一時的に悪化し、胃腸の不調や発疹などの症状がでることもあります。
これは,ふつう１－２日で収まりますので、長く続くときは副作用の可能性もあるので、主治医にご相談下さい。

副作用のでやすい生薬
特に注意が必要な漢方
どんな症状に注意したらいい？
妊婦さんに注意が必要な漢方

副作用のでやすい生薬

人参
主な漢方；人参湯、帰脾湯、十全大補湯など
副作用；血圧上昇による動悸。口渇。興奮による不眠

柴胡
主な漢方；小柴胡湯、柴胡桂枝湯、柴朴湯
副作用；肝機能障害、血尿、残尿感、膀胱炎など

麻黄
主な漢方；葛根湯、麻黄湯、小青竜湯
副作用；不整脈などの心疾患、虚弱体質の方は発汗、動悸など

附子
主な漢方；牛車腎気丸、附子人参湯
副作用；動悸、吐き気

大黄
主な漢方；大承気湯、大黄甘草湯
副作用；体力のある方向け、成分が母乳にでて乳児が下痢になる事がある。

甘草
主な漢方；葛根湯、甘草湯、四逆湯、四君子湯、桔梗湯など多種
副作用；尿量減少で、まぶた、手足がだるくなる。
　　　　だるさ、黄疸などの肝機能障害。
　　　　咳、息切れ、発熱などの間質性肺炎

特に注意が必要な漢方

小柴胡湯
１インターフェロンを投与中の方
２肝硬変、肝癌、肝炎のある方

甘草　　（１日２，５ｇ以上はいっている漢方）
１アルドステロン症のある方
２ミオパシーのある方
３低カリウム血症のある方

どんな症状に注意したらいい？

全ての漢方にあらわれるものではありませんが、副作用がでる可能性のある漢方を服用している方は、注意が必要です。

１間質性肺炎
　発熱、咳、呼吸困難が表れた時

２偽アルドステロン症
　血圧上昇、浮腫、体重増加

３ミオパシー
　脱力感、四肢痙攣、麻痺、筋肉痛、筋力低下

４発疹、痒み、蕁麻疹

妊婦さんに注意が必要な漢方

妊婦さんに使う漢方もあります。
早産などに当帰芍薬散、芍薬甘草湯、貧血に十全大補湯、帰脾湯、悪阻に二陳湯、人参湯、マタニティーブルーには香蘇散、加味逍遙散、妊娠中毒症に五苓散、当帰芍薬散などがあります。
薬性が強い、附子、半夏、紅花、大黄、乾姜、杏仁などや、活血や行気，辛熱性の強い生薬は早産などの危険があるので注意致しましょう。

私も漢方で下痢の副作用があったことがあります。
自分に合う漢方薬がみつかるまでは、効果、副作用の両方をしっかり観察していくことが大切です。