薬についての疑問に答えます

その他

皆様 ごきげんよう。
皆で頑張ってコロナ対策に取り組んでいるのに、なかなか終息しませんね。
今日は薬について普段 皆様が疑問に思っている事について書かせて頂きます。
今はセルフメディケーションの重要性が言われています。
セルフメディケーションは、自分の健康は自分で守ろうとする事!
症状の軽いうちに無理せず早めに休んで、一般用医薬品を上手に利用して自分で自分の健康を管理する事です。
是非 薬剤師さんに相談しながら、取り組んでみて下さい。

剤型の特徴


薬の剤型は身体のどの部分で溶けて、どのくらいの時間で吸収されるかなど効果を発揮できる形になっています。
同じ成分でも用途に応じて剤型が違うものがあります。
錠剤は用量が正確で保存しやすく、飲みやすくなっています。
効き目が長時間維持できるように二重構造してあるもの、水なしでものめるようなOD錠チュアブル錠、舌の下でゆっくり溶かして口の粘膜から吸収させる舌下錠などがあります。
カプセルはゼラチンで作ったカプセルに固形、粉末、顆粒、液体などが入っています。
同じカプセル剤でもカプセルの成分や暑さなどから、胃ですぐ溶けるもの、胃でゆっくり溶けるもの、胃では溶けず腸まで届くものなどがあります。
例えば、腸溶錠を砕いてのんでしまうと、胃酸で薬の効果がなくなったり、胃の粘膜を痛めたりします。
また 効果を持続させる必要のある薬を砕いて服用すると、短時間で効果が
でてしまったりします。
錠剤やカプセルが飲めない時は砕いて大丈夫か、必ず薬剤師に確認して下さい。
顆粒も徐々に溶けるように作られているものがあります。
シロップは吸収もよく、飲み安いのですが、変質しやすいので冷所保存、
服用前に優しく混ぜてとって下さい。また 処方期限以内で服用しましょう。

薬は水や白湯 コップ1杯で飲みましょう。



1杯の水で飲まないと、薬が喉や食堂に引っかかる事があるのです。
食道で溶けだすと、粘膜を傷つけることがあります。
また 水に溶ける事で腸の粘膜から吸収されやすくなります。
冷たいお水より温かいものの方が胃を温めて消化管の血流をよくして効果が出やすいと言われています。
また 寝たままで服用したりする時も喉や食道につっかかってしまいます。
10秒で食道を通過するので起きて服用致しましょう。


ご存じの方もいると思いますが、喘息の薬をカフェインを含むお茶などで飲むと副作用がでやすかったり、グレープジュースで血圧の薬やアレルギーの薬をのむと効果が増強したり問題が起こる事があります。
※水なしで飲める薬もできているので、薬を飲めなかったり、水分制限があったり、すぐ飲みたい薬などには便利ですね。

薬の保存方法


基本は 直射日光に直接当たらず、涼しく、湿気がない所に置く事が大切です。1-30℃が室温の目安です。
カビ、細菌、温度の影響をうけるもの、液剤、シロップ、坐剤、点眼剤や冷所の指示のある薬は冷蔵庫で保存しましょう。
また 子供の手の届かない所、古い薬は廃棄して、薬は薬として保存しておきましょう。

風邪は抗生剤で治らない?


抗生剤は細菌の増殖を抑制したり、死滅させる薬です。
風邪の原因は90%がウイルス感染で200種類もあり、ウイルスを特定できません。抗生剤が処方されるのは、風邪によって細菌による二次感染がおこって気管支炎や中耳炎が起こりやすくなるので、その予防、治療に使います。

熱がでてすぐ熱さましを飲まない方がいい


多量の病原体が入ってきたとき、体温を上げて病原体を殺そうとします。
体温が体温調節中枢の設定温度まで上がると免疫細胞が活発に活動し、病原体を攻撃します。病原体が排除されると体温が下がります。
発熱は身体が細菌、ウイルスと戦っているのです。
すぐ熱さましを服用すると免疫細胞の活性化を妨げてしまいます。
では、いつ飲んだらいいのでしょう。
38度以上で24時間以上続いたら 服用したらいいでしょう。
40℃以上では、すぐ受診しましょう。

発熱時の対処
顔色が悪く、寒気がある
   温かくして保温し、温かいのみものを少しずつ飲む。
赤い顔で熱が高い
   汗をかいたら、まめに着替え、水分を多くとり、冷やしましょう。

アルコールを飲んでいると薬が効きにくい


体内で役割が終わった薬は肝臓で解毒されて体外に排泄しやすい物質に変化されます。それを薬物代謝といいます。肝臓で解毒するするのがチトクロームP450という薬物代謝酵素です。肝臓で代謝された薬の多くは、水に溶けやすい状態にかえ、腎臓をえて尿として排泄されます。
このチトクロームP450はアルコール代謝でも関係しているのです。
アルコールを飲んだ時もチトクロームP450が活性化します。
毎日 お酒を飲む方は体内のチトクロームP450が次第に増えていき、薬を飲むと代謝が早くなり効きにくくなります。

一緒に飲むとアルコールを優先的に代謝するので、薬の代謝が遅れ薬の効果が強くなります。肝臓の酵素はアルコールの影響を受けやすいので注意が必要です。

同時に服用すると相互作用のあるもの
●抗うつ剤、抗精神剤、解熱鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、鎮静剤
  アルコールとの併用で中枢神経の抑制作用が相まって作用が強まります
●血圧降下剤、利尿剤
  血圧降下作用が増強して血圧が下がりすぎてめまいなどが起こる
●糖尿病薬
  血糖降下作用が増強し、低血糖に注意

妊娠中 授乳中の薬の影響


母親の飲んだ薬がどのように赤ちゃんに影響するのでしょうか?
母親が飲んだ薬は消化管から吸収されて母乳に移行し、乳児に作用することになりますが、
薬によって移行するものとしないものがあるので、主治医、薬剤師と相談する事をお勧めします。

また 妊娠中の胎児にあたえる薬の影響もあります。
●妊娠3週末まで
  基本的に影響はない
●妊娠4-15週
  胎児のさまざまな器官ができる最も大切な時季です。
●妊娠16週以後
  胎児の身体の形成は終わっていますが、循環器などに影響するときが
  あります
※お産を早めてしまう薬もあります。
必ず 主治医 薬剤師に相談致しましょう。




投稿者プロフィール

ゴールデンミーン
東京都在住。
薬剤師、健康管理士など

趣味;ヨガ、自然の中にいる事
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